こんにちは北戸田coco歯科です!
子供の乳歯が抜け、永久歯が生えてくる様子はお子様の成長を感じられる大事なときですよね。
しかし、中には「乳歯が抜けないのに永久歯が生えてきた」というケースも。一体なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
本記事では、乳歯が抜けないまま永久歯が生えてくる原因、放置することのリスク、対処法について解説します。
◽️そもそもどうして乳歯が抜けるの?
お子さんの歯の生え変わり、不思議に思うことはたくさんありますよね。特に「乳歯が抜ける仕組み」を知らない方も多いのではないでしょうか?
実は、乳歯の下では、生まれたときから永久歯が生える準備をしています。
永久歯が育ち大きくなるにつれ、乳歯の根を溶かす特殊な細胞が活動を開始し、これにより乳歯の根がだんだん短くなっていきます。
その結果、乳歯はグラグラと揺れ始め、やがて自然に抜け落ちるのです。
その後、永久歯が顔を出してきます。この生え変わりは6歳頃から始まり、前歯から奥歯まで順番に進んでいきます。
◽️乳歯が抜けないのに永久歯が生えてきた
永久歯が生えてくる際は、乳歯の根っこが少しずつ溶けてグラグラしてくるのが一般的ですが、永久歯が少しずれた位置から生えてくると、乳歯が抜けずに残ってしまうことがあります。
下の前歯でよく見られる現象で、特に顎の成長が遅れると永久歯が本来の位置に生えることが難しくなります。
ただ、永久歯が内側から生えること自体は異常ではありません。
永久歯が生え始める6歳頃は、顎も成長して乳歯の間に隙間ができてくる時期です。この隙間を利用して、永久歯が顔を出すことで乳歯が自然に抜ける場合もあります。
そのため、永久歯が生えてから2週間ほどは様子を見てみましょう。乳歯がグラグラしてきたら、無理に抜かずに自然に抜けるのを待ちます。
ただし、数ヶ月経っても乳歯が残っている場合は要注意です。
乳歯が残ってしまうと、永久歯が正しい位置に移動できず、歯並びが悪くなってしまう可能性があります。
このような場合は、早めに歯科医師に相談し、適切な処置を受けるようにしましょう。
◽️乳歯が抜けずに永久歯が生えてきた時の処置法
まずは、乳歯がグラグラしているか確認してみましょう。
少し前ではグラグラしている場合は、糸などで引っ張って抜く親御さんも多かったのですが、現在は無理に抜かずに自然に抜けるのを待つのが一般的です。
永久歯が生えてくると、乳歯の根っこが少しずつ溶けていくので、舌や指で触って揺らしているうちに自然と抜け落ちるでしょう。
永久歯が生え始めてから2週間くらいは、特に注意深く観察してみてください。その間に乳歯がグラグラと動き始めたら無理に抜かずに、自然に抜けるのを待ちましょう。
◽️場合によっては抜歯をすることもある
永久歯が生えてから数ヶ月経っても乳歯が抜けない、あるいは乳歯がグラグラしない場合は、一度歯科医師に相談してみましょう。
レントゲン写真などで永久歯と乳歯の位置関係、お子さんの年齢や顎の成長具合などを詳しく確認し、今後の歯並びへの影響を予測します。これらの情報をもとに、抜歯が必要かどうかを判断します。
抜歯が必要となるケースとしては、永久歯が大きくずれて生えてしまい、将来の歯並びに悪影響が懸念される場合や、歯の根っこがまだ長く乳歯が自然に抜ける見込みがない場合などが挙げられます。
乳歯の抜歯は、歯の根っこが短い場合は、表面麻酔(塗り薬)で済むことが多いです。
乳歯が抜けた後は、少し出血することがありますが、ガーゼや清潔なティッシュを噛んで5分ほど圧迫すれば、たいてい止まります。
怖がる子供も多いですが、適切な準備と対応で恐怖心を少なくするよう努めている歯科医院がほとんどです。
乳歯が抜けないまま永久歯が生えてくるのは珍しいことではありません。しかし、放置すると歯並びや噛み合わせに影響が出る可能性があります。
歯茎が腫れたり痛みがあるなど気になることがあれば、早めに歯科医師に相談し、適切な処置を受けるようにしましょう。
◽️いつまでも抜けない乳歯を放置すると
永久歯が生えてきたのに抜けない乳歯を放置すると、以下のような問題が生じる可能性があります。
◼️歯並びの悪化
永久歯が生えてくるスペースが足りなかったり、乳歯の根っこがしっかり残っていたりすると、永久歯が本来の位置からずれて生えてくることがあります。
そのままにしておくと、永久歯が内側や外側に曲がって生えてしまったり、他の歯と重なり合ってしまったりする可能性があります。
◼️虫歯のリスク増加
乳歯が抜けないまま永久歯が生えてくると、歯と歯の間にすき間ができにくく、歯ブラシが届きにくい場所ができてしまいます。
すると、食べかすや汚れが溜まりやすくなり、虫歯のリスクが高まります。特に、生えたばかりの永久歯は歯質が弱く、乳歯よりも虫歯になりやすいので注意が必要です。
◼️歯肉炎のリスク
乳歯が抜けないまま永久歯が生えてくると、歯と歯の間に汚れが溜まり歯ぐきの炎症を引き起こすことがあります。
これを「歯肉炎」と言い、さらに進行すると歯周病になってしまいます。歯周病は、歯を支える骨を溶かしてしまう病気で、最悪の場合、歯が抜け落ちてしまうこともあります。
永久歯が生え始めたばかりの頃は、歯ぐきがデリケートなので特に注意が必要です。
◼️咀嚼機能への影響
乳歯が抜けないまま永久歯が生えてくると、歯並びがデコボコになってしまうことがあります。すると、食べ物をしっかり噛み砕くのが難しくなることも。
特に硬いものや繊維質の多い食べ物は、うまく噛めずに消化不良を起こしてしまうかもしれません。
また、片側の歯でばかり噛む癖がついてしまうと、顎の成長にも影響が出る可能性があります。
◼️発音への影響
歯並びがデコボコしていると、舌の動きが制限されてしまい、はっきりとした発音が難しくなることがあります。
特にサ行やタ行など、舌の先を使う音はうまく発音できず、言葉が聞き取りにくくなってしまうこともあります。
◼️審美性の問題
歯並びがデコボコしていると、見た目を気にしてしまうことがあります。特に、お友達と比べて見た目が違うと感じると、自信を失ってしまうかもしれません。
◽️定期的に歯科検診を受けることが大切
お子さんの歯の健康を守るためには、定期的な歯科検診が欠かせません。乳歯が生え始めたら、ぜひ3ヶ月から半年に一度は歯科医院を受診しましょう。
幼い頃から歯科医院に慣れておくことで、歯医者さんに対する恐怖心を和らげることができます。6歳くらいになって急に治療を始めようとすると、お子さんが怖がってしまい、治療がスムーズに進まない場合もあります。
そうなると、お子さんだけでなく、付き添いのご家族にとっても負担が大きくなってしまいます。
定期検診では、虫歯の早期発見だけでなく、フッ素塗布やシーラントなど、お子さんの歯を虫歯から守るための予防処置も行うことも可能です。
ぜひ、定期的な歯科検診を習慣づけて、子供の大切な歯を守りましょう。
◽️まとめ
乳歯が抜けないまま永久歯が生えてくる現象は、決して珍しいことではありません。
永久歯が生えてきたのに乳歯が抜けない場合は、まずは様子を見て、乳歯がグラグラしてきたら自然に抜けるのを待ちましょう。
もし数ヶ月経っても乳歯が抜けない場合は、歯並びが悪くなったり、虫歯や歯肉炎のリスクが高まったりする可能性があります。このような場合は、一度歯科医師に相談することをおすすめします。
お子さんのお口の中は日々成長しています。トラブルを未然に防ぎ、健康な歯を保つためには、定期的な歯科検診が欠かせません。
乳歯が生え始めたら、ぜひ3ヶ月~半年に一度は歯科医院を受診しましょう。
当院でのお子様の歯科検診を積極的に行っております。お気軽にご予約ください。
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