こんにちは北戸田coco歯科です!
「うちの子、顎が歪んでいる気がするけど大丈夫かな?」そんな風に心配になったことはありませんか?
顎の歪みは、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや発音、全身の健康にも影響を与える可能性があります。そのため、顎の歪みは、早期発見・早期治療が大切です。
本記事では、子供の顎が歪む原因、起こり得る問題、治療法を解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
◽️子供の顎が歪んでいる状態とは?
顎が歪んでいる状態とは、簡単に言うと顎の位置が本来あるべき場所からずれてしまっている状態のことです。
たとえば、奥歯の噛み合わせが途中で上下逆になっている「交叉咬合(こうさこうごう)」や「受け口」、顎が顔の中心から左右どちらかにずれている状態、下顎の成長が不十分で上顎よりも後退している「小顎症(しょうがくしょう)」などが挙げられます。
これらの歪みは、遺伝的な要因や赤ちゃんの頃の授乳方法、指しゃぶりや頬杖などの癖、虫歯やケガなどが原因となり得ます。
特にお子様は受け口になってしまうケースが多く見られ、顎の成長とともに変化していくために長い間様子を見ながら必要であれば治療を行います。
参考:日本矯正歯科学会
◽️子供の顎が歪んでいると起こる弊害
子供の顎の歪みは、さまざまな健康問題や日常生活に影響を及ぼす可能性があります。
◼️顎の痛みや音
顎が歪むと、顎の関節にあるクッションのような役割を果たす「関節円板」がずれてしまいます。
そのため、口を開け閉めするたびに「カクッ」とか「ゴリッ」といった音が鳴ったり、痛みを感じたりすることがあります。
◼️食事や会話への影響
顎の歪みは噛み合わせにも影響を与えます。
噛み合わせが悪くなると、食べ物をうまく噛めないことで十分に噛み砕かれず飲み込んでしまい、消化不良を起こしてしまうこともあります。
また、話す際に空気が漏れたり、舌がうまく使えなかったりすることで発音が不明瞭になることもあります。
◼️歯並びや顔の形状への影響
顎の歪みは、歯並びやかみ合わせだけでなく、顔の印象にも影響を与えることがあります。
たとえば、下顎が前に出ている「受け口」の場合、顔全体のバランスが崩れてしまい、子供が将来、見た目にコンプレックスを感じてしまうかもしれません。
◼️日常生活への支障
顎の歪みは一見すると口の中だけの問題のように思えますが、全身の健康や心の成長にも深く関わっています。
たとえば、集中力が続かない、頭痛や肩こりに悩まされる、耳鳴りが気になるなど、無関係に思える症状も実は顎の歪みが原因となっている可能性があります。
◽️子供の顎が歪む原因
顎の歪みは遺伝的な要素や生活習慣など、さまざまな要因が絡み合って発生します。
◼️遺伝的要因
たとえば、受け口は、があります。また、顎全体の骨格も両親から受け継ぐことが多いと言われています。
もちろん、遺伝だけが原因ではありません。後天的要因として赤ちゃんの頃の授乳方法や指しゃぶり、頬杖といった癖なども顎の成長に影響を与えることがあります。
◼️乳房哺乳の不足
赤ちゃんのときに母乳を直接飲めなかった場合、顎の歪みが生じる可能性が若干高くなると言われています。
母乳を直接飲むことは、顎や口周りの筋肉を活発に動かす良いトレーニングになります。
一方、哺乳瓶での授乳は、赤ちゃんがそれほど力を入れなくてもミルクを飲めるため、顎の発達を促す刺激が少なくなる可能性があるのです。
もちろん、さまざまな事情で母乳育児が難しい場合もあるため、必ずしも母乳育児の方がいいというわけではありません。
顎の成長をサポートするためには、離乳食の時期から、よく噛んで食べる習慣を身につけることが大切です。
◼️お口周りの悪習慣
以下のような悪習慣が長期間続くと顎の歪みを引き起こすことがあります。
- おしゃぶり
- 指しゃぶり
- 頬杖をつく習慣
- 片側だけで噛む
- 横向き寝
これらの癖は、顎に不自然な力をかけ続け、骨の成長を妨げてしまう可能性があります。
特に、成長期の子供にとっては小さな癖でも、将来の歯並びやかみ合わせに大きな影響を与えることも。
これらの癖に気づいたら、優しく注意してあげたり、一緒に改善策を考えてみたりするのも良いでしょう。
◼️口呼吸
鼻で呼吸する時は、舌が上顎にぴったりとくっつき、上顎の成長を促します。
しかし、口呼吸の場合は舌の位置が下がり、上顎への刺激が減ってしまうため、上顎の成長が妨げられ、下顎が前に出てしまう「受け口」になりやすくなるのです。
子供が口を開けて寝ていたり、日中も口で呼吸していることが多い場合は、鼻づまりやアレルギーなど、鼻呼吸を妨げる原因がないか確認してみましょう。
また、意識的に鼻呼吸をするよう促すことも大切です。
◼️舌の発達の問題
舌は、食べ物を飲み込む時だけでなく、普段から上顎に軽く触れていることで顎の骨の成長を促す役割も担っています。
しかし、舌の動きが悪かったり、舌の位置が低かったりすると、この刺激が十分に伝わらず顎のバランスが崩れてしまうことがあります。
◼️歯の問題
虫歯や乳歯の早期脱落も顎の歪みにつながることがあります。
乳歯は、永久歯が生えてくるスペースを確保する大切な役割があります。
もし虫歯で乳歯を早く失ってしまうと、周りの歯がその隙間を埋めるように動いてしまい、永久歯が生えるスペースがなくなってしまうことも。
その結果、歯並びが悪くなったり、顎の成長に影響を与えたりする可能性があります。
◼️病気やケガ
転んで顎を強く打ったり、顎の中に腫瘍ができてしまったりすると、顎の骨の成長バランスが崩れ、左右にズレが生じる可能性があります。
子供が顎をぶつけた時は、たとえすぐに腫れや痛みが引いたとしても念のため歯科医師に診てもらうことをおすすめします。
◽️子供の顎の歪みに対する治療法
子供の顎の歪みに対する治療法は、症状や原因に応じて異なります。
◼️矯正治療
顎の骨がまだ成長段階にある子供の場合は、矯正治療によって歯並びやかみ合わせを改善することで、顎の歪みを治せることがあります。
矯正治療では、ブラケットやマウスピースといった装置を使って、少しずつ歯を動かしていきます。
顎の成長が止まってしまった大人の場合は、外科的な手術が必要になることもあります。しかし、子供の場合は成長の力を利用して、顎の歪みを改善できる可能性が高いのです。
◼️外科的矯正手術
顎の歪みがかなり大きい場合や成長期の矯正治療だけでは十分な改善が見込めない場合は、矯正治療と併用して外科的な手術で顎の位置を調整することもあります。
これは、顎の骨を切って正しい位置に動かす手術なので、成長が止まってから行うことが多いです。
◼️生活習慣の改善
顎の歪みを改善するためには治療だけでなく、生活習慣の見直しも必要です。
例えば、頬杖をついたり、いつも同じ側で噛む癖がある場合は、意識して改善していく必要があります。
また、正しい姿勢で過ごすことや食べ物をよく噛むことも、顎の健康に良い影響を与えます。
◼️トレーニング
お口周りや舌の筋肉を鍛えるトレーニングも効果的です。
たとえば、口を大きく開けたり閉じたりする運動、舌を左右に動かす運動、食べ物をしっかり噛むことなども、トレーニングになります。
これらのトレーニングによって、顔周りの筋肉がバランスよく発達し、顎の骨の成長を正しい方向へ促せます。
ただ、顎の歪みの状態によっては、専門的なトレーニングが必要になる場合もあります。
自己流で行うのではなく、まずは歯科医師に相談して、適切なトレーニング方法を教えてもらいましょう。
◽️まとめ
子供の顎の歪みは、見た目だけでなく、心身の健康にも大きな影響を与える可能性があります。遺伝的な要因だけでなく、普段の何気ない癖や生活習慣が原因になることもあります。
大切なお子さんの将来のためにも、顎の歪みに気づいたら早めに歯科医師に相談し、適切な治療とケアを始めましょう。
また、日頃から正しい姿勢や食事、口呼吸の改善など、顎の健康を意識した生活習慣を心がけることも大切です。
当院ではお子様の顎の歪みや歯並びについていつでもご相談にのっております。気になることがあると感じる親御さんはお気軽にご予約してください!
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