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【乳歯の亜脱臼】保護者が知っておくべき対処法と治療法

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こんにちは北戸田coco歯科です!

「子供が転んで歯がぐらぐらしている!」このような時に慌てて歯を触ったり、無理に戻そうとしたりしていませんか?

実は、それはとても危険な行為かもしれません。

歯が完全に抜け落ちてしまう「脱臼」とは異なり、歯がぐらぐらと不安定になる状態を「亜脱臼」と言います。

本記事では、乳歯の「亜脱臼」というケガについて症状や原因、保護者が取るべき適切な対処法について解説していきます。

◽️乳歯の亜脱臼とは?


乳歯の亜脱臼とは、歯が完全に抜け落ちてしまう脱臼とは異なり、歯を支える組織がダメージを受けて歯がぐらぐらと不安定になる状態です。

簡単にいうと「脱臼する1歩手前の状態」で、転倒して前歯をぶつけたり、顔にボールが当たったりした際に起こりやすいケガの一つです。

亜脱臼になると歯がぐらつくだけでなく、歯ぐきが腫れたり出血したり、歯に触れると痛むこともあります。

もし子供がこのような症状を訴えたら、まずは落ち着いて様子を観察し、早めに歯科医院へ受診しましょう。

歯の位置がずれていた場合、放置すると永久歯の成長に影響が出たり、感染症のリスクが高まったりすることもあります。

乳歯の亜脱臼は、適切な処置と経過観察によって多くの場合、後遺症を残さずに治りますので安心してください。

◽️乳歯が亜脱臼した際の治療法



亜脱臼の場合、歯は歯ぐきの中に残っていますが、歯を支える骨との繋がりが弱くなっているため状態に合わせて適切な治療法を選択する必要があります。

◼️軽度の亜脱臼の場合


軽度の場合は、自然に歯の位置が元に戻ったり、ぐらつきが治まったりすることもあります。しかし、経過観察は必要です。

定期的に歯科医院を受診し、歯や歯ぐきの状態、歯の神経が生きているか(歯が黒く変色していないか)などを確認してもらいましょう。

もし痛みが強い場合は、歯科医師に相談することで痛み止めを処方してもらえます。

◼️重度の亜脱臼の場合


歯の位置が大きくずれているだけでなく、歯を支える組織の一部が切れてしまっているため、歯がぐらつくだけでなく、歯ぐきから出血することもあります。

治療は、傷ついた歯の周りの組織と歯の神経につながる血管を治癒させることを目的として行われるため、歯を安静に保つことが重要です。

通常は固定する必要はありませんが、噛む時に痛みがある場合は、1~2週間ほど固定することがあります。

この際、乳歯の下で成長を始めている永久歯に影響を与えないよう、細心の注意を払って治療が行われます。

◼️いずれも経過観察が重要


治療後も1ヶ月後と3ヶ月後に歯科医院を受診し、経過観察を行います。その後も少なくとも1年間は定期的に歯の状態を確認していくことが大切です。

ぶつけた衝撃で歯の神経が傷ついてしまうと、まれに歯の根っこの先端付近で歯に栄養を送る血管が切れてしまうことがあります。

その場合、歯の神経が死んでしまい、歯が変色することがあります。もし歯の色が変わってきたり、違和感を覚えたりしたら、すぐに歯科医師に相談しましょう。


◽️亜脱臼した際の対処法


子供が転んで歯がぐらついてしまったら、まずは落ち着いて対処することが大切です。

歯が完全に抜けていなければ、それは「亜脱臼」と呼ばれる状態で適切な処置をすれば多くの場合、自然に回復していきます。

まず初めに症状を訴えている歯の位置がずれていないか確認してください。

もしずれていなければ、そのまま様子を見て大丈夫です。しかし、少しでも気になることや心配なことがあれば、迷わず歯科医院に連絡してください。

子供が痛みを訴える場合は、冷たいタオルやタオルを巻いた保冷剤などで患部を冷やしてあげましょう。また、口の中を清潔に保つことも大切です。

うがいをしたり、歯ブラシで優しく磨いたりして細菌感染を防ぎましょう。

絶対にやってはいけないのは、亜脱臼した歯を自分で元に戻そうとすることです。

また、患部を触ったり、強く磨いたりすることも避けましょう。症状が軽くてもしばらくは歯科医院で経過観察が必要です。

そして当面は、硬いものや噛みごたえのあるものは避け、柔らかいものを食べさせてあげてください。

◽️他にも起こりやすい子供の事故


子供が転んだり、ぶつかったりすると、亜脱臼以外にも以下のような歯のケガをすることがあります。

◼️破折(はせつ)


破折とは、歯が欠けたり、折れたりしてしまうケガです。転倒したり硬いものを噛んだりした際に起こることがあります。

症状

  • 歯の一部が欠る
  • 歯が真ん中から折れる
  • 歯がひび割れる

治療法

破折の程度によって治療法は異なります。

欠けた部分が小さい場合は、白いプラスチックの材料(レジン)で補修します。歯の神経まで損傷している場合は、歯を残せるように神経の治療を行うのが一般的です。

歯の頭の部分(歯冠)が大きく破折した場合は、被せ物の治療をすることがあります。



◼️脱臼(だっきゅう)


脱臼は、転んだ衝撃などで歯が大きく動いてしまったり、完全に抜け落ちてしまうことです。

症状

  • 歯がグラグラと大きく揺れる
  • 歯の位置が明らかにずれる
  • 歯が完全に抜け落ちる

治療法

歯が少し動いた程度であれば、自然に元の位置に戻ります。ただし、歯科医院で定期的な経過観察を行い、問題がないか確認してもらう必要があります。

歯が大きく動いたり、少し飛び出してしまったりした場合は、歯を元の位置に戻し、固定する処置を行います。

歯が完全に抜け落ちてしまった場合は、状況によっては「再植」という治療を試みることがあります。これは、抜けた歯を元の場所に戻し、再び根付かせる治療法です。

ただし、再植が成功するかどうかは、抜けた歯の状態や処置までの時間など、様々な要因に左右されます。



◼️埋入(まいにゅう)


子供が転んだ拍子に、歯が歯ぐきの中にめり込んで短くなってしまった状態です。

症状

  • 歯が短く見える、もしくは一部分が見えなくなっている
  • 歯ぐきが腫れている、または出血している
  • 歯に触れると痛がる

治療法


乳歯の場合は、数日から数週間かけて自然に元の位置に戻ります。しかし、その間も定期的に歯科医院を受診し、経過観察を行いましょう。

埋入した歯が他の歯の成長を妨げたり、歯ぐきに炎症を起こしたりしていないか、歯科医師に確認してもらうことが大切です。

一方、永久歯が埋入してしまった場合は、放置すると歯が正常に生えてこなくなる可能性があります。

そのため、できるだけ早く歯科医院を受診し、歯を元の位置に戻す処置を行ってもらいましょう。


◼️転位(てんい)


転んだ拍子に歯が本来の位置からずれてしまったり、傾いてしまったりすることです。

症状

  • 歯が前後に傾いている
  • 歯が横に傾いている
  • 歯の位置が明らかにずれている
  • 歯ぐきが腫れている、または出血している
  • 歯に触れると痛がる

治療法


歯のずれや傾きが小さい場合は、自然に元の位置に戻る可能性があります。

歯のずれや傾きが大きい場合は、歯を元の位置に戻し、固定する処置を行います。固定には、細いワイヤーやマウスピースなどを使用することがあります。

いずれも定期的な経過観察が必要です。



◽️まとめ


子供が転んで歯がぐらついた時は、まずは落ち着いて状況を確認し、必要に応じて歯科医院に連絡しましょう。自己判断で歯を触ったり、無理に戻そうとしたりするのは避けてください。

また、亜脱臼以外にも、破折、脱臼、埋入、転位など、子供が起こしやすい歯のケガはたくさんあります。それぞれの症状と治療法を理解しておくことで、いざという時に適切な対応ができます。

そして、ケガをしてしまった場合は、迷わず歯科医師に相談してください。

当院でもお子様の急なお口の怪我や歯のトラブルに対応しております。まずは落ち着いてできる対処をしていただき、早めに歯科医院へご連絡ください。