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【子供のうつ伏せ寝と歯並び】うつ伏せ寝の危険性と対策

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こんにちは北戸田coco歯科です。

「うちの子、いつも寝るときうつ伏せだけど大丈夫かな?」そんなふうに心配されている保護者の方も多いのではないでしょうか。

子供の歯並びが悪くなる原因の一つに「うつ伏せ寝」があります。うつ伏せ寝は、顔の片側が圧迫され、歯が動いてしまう可能性が。

さらに、鼻で呼吸しづらくなるため、口呼吸になりやすく、それがさらなる悪影響を招くことも。

そこで本記事では、うつ伏せ寝が歯並びに与える影響と、歯並びを悪くしないための対策、悪くなってしまった場合の対処法について解説します。


◽️子供のうつ伏せ寝が歯並びに影響する?


実は、うつ伏せ寝は歯並びを悪化させるリスクがあります。

矯正治療では50~150gの弱い力を継続的に加えることで歯が動くとされていますが、子供の頭の重さは4~5kgもあり、睡眠時間は9~10時間が平均的です。

もし、この重さと時間が、うつ伏せ寝によって歯やあごに常にかかり続けるとしたら…?歯並びが悪化するのを安易に想像できるのではないでしょうか。

うつ伏せ寝による歯並びへの影響は、枕に接している複数の歯が直線的に押されてしまうケースが多いです。

また、U字型だった歯並びがV字型になったり、歯列全体が内側に倒れてしまうケースもあります。

うつ伏せ寝では、顔の片側が枕に強く圧迫されるため、歯並びだけでなく顔の歪みも引き起こす可能性があります。

顔の筋肉のバランスが乱れると、そこにつながる身体の筋肉にも影響し、姿勢が悪くなる可能性も。

さらに、うつ伏せ寝は鼻呼吸を妨げ、口呼吸になりやすい姿勢です。口呼吸になると、本来上あごにあるべき舌が下がってしまい、上あごの成長が妨げられる可能性があります。

その結果、歯列が狭くなり、出っ歯やガタガタの歯並びを引き起こしてしまうことがあるのです。

そして、うつ伏せ寝による歯並びの乱れは、成長期の子供だけでなく、大人にも起こります。


◽️うつ伏せ寝は顎関節症のリスクも高める


「顎関節症(がくかんせつしょう)」とは、口を開け閉めする際に「カクッ」と音が鳴ったり、口が大きく開けられなくなったり、あごに痛みを感じたりする症状のことです。

耳の穴のすぐ前には頭蓋骨と下あごをつなぐ関節「顎関節」があります。

そこには「関節円板」と呼ばれる軟骨があり、あごを上下左右、前後に動かせるようになってるのです。

しかし、うつ伏せ寝の姿勢では、頭の重さが顎関節に負担をかけてしまいます。顎関節に負担がかかると関節円板がズレて、あごの痛みや口が開けにくいといった症状が現れる可能性があるのです。


◽️うつ伏せ寝が与えるそのほかの影響


うつ伏せ寝の影響は、歯並びだけではありません。顔のバランスが悪化したり、体の歪みにつながる可能性があります。

長時間うつ伏せでいると、顔の筋肉のバランスが崩れ、その結果、顔のバランスが左右非対称になったり、見た目の印象が悪くなったりすることもあります。

さらに、過去には「頭の形が良くなる」という理由で、乳幼児のうつ伏せ寝が推奨された時期もありました。

しかし、近年では、うつ伏せ寝は乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めるだけでなく、窒息死の危険性もあることが明らかになっています。

特別な理由がない限り、仰向け寝を心がけましょう。

◽️歯並びを悪くさせないために


理想的な寝姿勢は「仰向け寝」です。

しかし、うつ伏せ寝の癖は、そう簡単には直らないもの。 仰向け寝の習慣が身につくまで根気よく続けることが大事です。ここでは、今日からできる工夫をご紹介します。

◼️成長に合わせた枕を選ぶ


まずは枕選びから見直してみましょう。枕を使用する目安は、首の後ろが丸くなり、頭を支えられるようになる8~9歳頃(身長130cm前後)です。

成長に合わせて高さを調整できる枕なら長く使用できます。

◼️クッションやタオルを置く


まだ枕を使えない赤ちゃんには、寝返り防止クッションがおすすめです。体の両脇に挟むことで、寝返りを優しくサポートし、自然と仰向けで眠る姿勢を保てます。

タオルを筒状に丸めて代用することもできますが、窒息のリスクを避けるため、必ず赤ちゃんの顔から離れた位置に置き、こまめに様子を見てあげましょう。


◼️仰向け寝を誘導させる


楽しみながら仰向けで眠れるように工夫するのもおすすめです。

たとえば、天井に家庭用プラネタリウムで星空を映し出したり、絵本の読み聞かせをしながら、仰向けで眠りにつけるよう促してみましょう。

また、子供が気に入っているぬいぐるみを抱きしめれば、安心感がアップするので自然と仰向けで寝やすくなります。

これらの方法に加えて、仰向け寝のメリットを伝えるのも良いでしょう。たとえば、「仰向けで寝ると、呼吸が楽になるよ」と教えてあげると納得して試してくれるかもしれません。


◼️寝返りがしやすい寝具を選ぶ


寝返りを打ちやすい、硬すぎず柔らかすぎないマットレスを選ぶこともポイントです。寝返りは、体への負担を分散できます。

また、子供は汗をかきやすいため、通気性の良い素材のマットレスもおすすめです。仰向けで寝やすい睡眠環境を整えてあげましょう。


◼️保護者によるサポート


もし寝ている間にうつ伏せになってしまったら、深い眠りについているタイミングで優しく仰向けに戻してあげましょう。

ポイントは無理に起こしたり、叱ったりしないことです。



◽️もしうつ伏せ寝で歯並びが悪くなったら?


子供がうつ伏せで寝てばかりいると、その後生えてくる永久歯の歯並びも悪くさせてしまう可能性があります。

子供の歯並びが悪化した場合は、適切な時期に矯正治療を始めることをおすすめします。

中には「乳歯はいずれ生え変わるから大丈夫」と思ってしまうかもしれません。乳歯の歯並びと永久歯の歯並びは、直接関係はないとされています。

しかし、歯並びが悪くなる原因がうつ伏せ寝によるものであれば、それが改善されない限り永久歯の歯並びに影響が出てしまうのです。

歯並びが悪いと見た目の問題だけでなく、虫歯や歯肉炎のリスクが高まったり、発音に影響が出たりすることもあります。

また、噛み合わせが悪くなることで、食べ物がうまく噛み砕けず胃腸に負担がかかったり、体のバランスが崩れて頭痛を引き起こすケースも。

さらに、虫歯といった症状がある場合は、永久歯の歯並びや噛み合わせにも悪影響を与える可能性があるため、子供の歯並びが悪い状態を放置するのは避けましょう。

◽️小児矯正はどのような治療をするの?


小児矯正は、あごの成長をコントロールして永久歯が生えるスペースを確保し、正しい位置に歯を導く治療を行います。

あごの骨の成長を利用した治療は、大人にはできません。子供の頃から矯正治療を行うことで、将来的に抜歯が必要な矯正を回避できる可能性も。

さらに、大人になってからの矯正と比べて費用も抑えられるメリットもあります。

そして、小児矯正では歯並びを整えるだけでなく「MFT(口腔筋機能療法)」と呼ばれるトレーニングも並行します。

これは、お口周りの筋肉を鍛え、歯並びが悪くなる原因とされている口呼吸や舌で歯を押す癖の改善も目指す方法です。

子供の歯並びが少しでも気になる場合は、早めに歯科医師に相談することをおすすめします。

◽️まとめ


子供の歯並びを悪くする原因の一つ「うつ伏せ寝」は、歯並びだけでなく、顎関節症や顔の歪み、全身のバランスまで乱してしまう可能性があります。

しかし、成長に合わせた枕選びや仰向けで寝やすい環境作りなど、今日からできる対策はたくさんあります。

もし、うつ伏せ寝が癖になっている場合は、大きな問題になる前に歯科医師に相談しましょう。

当院でもお子様の矯正治療やお口のトラブルについてご相談承っております。無料相談も行っておりますので、お気軽にご予約ください。