こんにちは北戸田coco歯科です
「子供の歯がグラグラしているけれど、無理やり抜いても大丈夫?」乳歯は自然に抜けることが多いですが、なかなか抜けないと不安になりがちです。
そこで本記事では、子供の歯がなかなか抜けない理由や自宅での抜歯方法、いつ歯科医院を受診すべきかを解説します。
歯の生え替わりの時期のお子様を持つ保護者の方はぜひ参考にしてください。
◽️子供の歯がなかなか抜けない場合は無理やり抜いても大丈夫?
乳歯から永久歯の生えるタイミングは個人差があります。乳歯がなかなか抜けない場合はグラグラしている場合とそうでない場合によって対処法が異なります。
・グラグラしている場合
乳歯がグラグラしている場合、自然に抜ける準備ができているサインです。
無理に抜かずとも、舌や指で軽く触る程度で自然に抜け落ちるのを待つのが一般的です。適切なタイミングで自然に抜けることが多いため、急ぐ必要はありません。
ただし、グラグラしていてもなかなか抜けない場合は、歯の根っこが途中で折れたり、歯ぐきを傷つけてしまう原因となるため無理に抜くのは避けましょう。
舌や指などで少しずつ揺らして、それでも抜けない場合は歯科医師に相談すると良いでしょう。
・グラグラしていない場合
乳歯がグラグラしていない場合、無理に抜くことは禁物です。
乳歯が固定されている状態で永久歯がまだ十分に成長していない場合で無理やり抜くと、歯茎にダメージを与えたり、永久歯の発育に悪影響を及ぼす可能性があります。
ただ、乳歯がなかなか抜けず、永久歯が既に生えてきている場合は歯科医師の診断が必要です。
レントゲン撮影などを行い、永久歯の成長や乳歯の状態を確認した上で、必要な処置を行います。
◽️歯がなかなか抜けない理由
子供の歯の生え替わりの時期で、乳歯がなかなか抜けない場合は、以下のような理由が影響している可能性があります。
・永久歯の成長が遅れている
通常、乳歯の下では新たに永久歯が成長しています。
永久歯が十分に成長し、生える準備が整うと乳歯の根っこの部分が徐々に吸収され、最終的には永久歯によって乳歯が押し出されて抜け落ちます。
しかし、永久歯の成長が遅れている場合、乳歯がなかなか抜けないことがあります。ただ、成長には個人差があり、必ずしも異常とは限りません。
・永久歯の位置異常
永久歯が正常な位置や角度で成長しない場合、乳歯が抜ける過程に影響を与えることがあります。
正しい位置で成長してくる永久歯は、乳歯の歯の根っこを溶かしながら押し上げ、自然と抜け落ちていきます。
しかし、永久歯が異常な位置や角度で成長すると乳歯を押し出す力が十分に発揮されないため、乳歯が抜けにくくなる可能性があります。
将来的に歯並びや噛み合わせの悪化を引き起こす可能性があるため、早期発見と対応が重要です。
・スペース不足
永久歯が生える際に必要なスペースが不足していると、乳歯を押し出すための十分な場所を得られず、「なかなか抜けない状態」に陥ります。
永久歯が正しい位置に生えるのが難しくなり、歯が重なって生えてしまうことがあります。
・先天性欠如
乳歯は20本、永久歯は親知らずを除いて28本あります。
しかし、中には生まれつき永久歯の本数が少ない子供もいます。この状態を「先天性欠如」と呼びます。
乳歯の下で生えるはずの永久歯が成長しないため、通常の生え替わりで見られる乳歯の歯の根っこの吸収がなく抜け落ちることはありません。
そのため、乳歯が残ったままの状態になります。
・埋伏歯
埋伏歯(まいふくし)とは、永久歯があごの骨の中に埋まったまま生えてこない状態のことです。
永久歯が生えてこなければ乳歯の根っこが溶けることがないため、抜け落ちることはありません。
埋伏歯は親知らずや上顎の犬歯に見られることが多いですが、痛みや不快感を引き起こすことはないため気づかないことがあります。
しかし、他の歯に悪影響を与えたり、歯並びに問題が生じている場合は外科手術が必要になることがあります。
◽️抜けそうな歯を放置してもいい?
グラグラして抜けそうな乳歯は放置すれば良いと考えがちですが、長期間抜けそうな状態を放置するのは避けましょう。
乳歯が長期間抜けずに残ると、下から生えてくる永久歯が正常な位置に生えるスペースを見つけられず、結果として変な位置や角度で生えてしまうことがあります。
そのため、乳歯がなかなか抜けない場合、必ずしも問題があるわけではありませんが、永久歯の成長や歯並びに影響を与える可能性があるため、心配な点があれば歯科医師に相談することをおすすめします。
特に永久歯が既に生え始めているにもかかわらず乳歯が残っている状態は、正常な歯並びや噛み合わせを確保するためにも早めに歯科医師の診断を受けましょう。
◽️自宅で歯を抜く場合の抜歯方法
乳歯がグラグラしており、歯茎からほとんど離れている場合は自然に抜けるように促すことができます。
しかし、無理に抜こうとすると歯茎を傷つけたり、永久歯にダメージを与える可能性があるため注意が必要です。
ここでは、自宅で歯を抜く際の方法を紹介しますが、不安がある場合や抜歯に抵抗がある場合は歯科医師に相談することをおすすめします。
①乳歯の状態を確認
歯が十分にグラグラしていて、自然に抜けそうな状態であることを確認します。
グラグラしていない場合や痛みが伴う場合は、無理に抜かず歯科医師に相談してください。
②手と歯を清潔にする
感染を防ぐためにも手をよく洗い、お口の中も清潔にしましょう。
③舌や指で少しずつ揺らす
舌や指で少しずつ揺らして、自然に抜けるように促しましょう。
無理やり引っ張ったり、大きな力を加えないようにします。歯茎にぶら下がっている状態になったら引っ張って抜いても問題はありません。
④止血
抜いた後に出血することがあります。
清潔なガーゼで傷口を軽く押さえ、出血が止まるまで圧迫します。出血が続く場合は、歯科医師に相談してください。
◽️不安なら早めに歯科医院で診てもらいましょう
「乳歯がグラグラしてなかなか抜けない」「無理矢理抜いてしまっても大丈夫なのか」など不安がある場合は、早めに歯科医院へ受診しましょう。
また、以下に当てはまる場合は、歯科医師の診断が必要です。
- 乳歯がなかなか抜けず、食事の際に痛みを伴う場合
- 乳歯の下で永久歯が生えてきている
- 乳歯が虫歯になっている
- 乳歯が抜けたのに永久歯がなかなか生えてこない
このようなケースで自宅で無理に対処しようとすると、予期せぬトラブルを引き起こす可能性があります。
そのため、安全に対処するためにも、歯科医院に受診することをおすすめします。
歯科医院での抜歯は、表面麻酔の使用などできるだけ痛みの少ない方法を実施することができます。
また、抜歯が適切でないと判断される場合は、他の治療方法を提案してくれるでしょう。
歯や歯茎に何か異変を感じたら不安を抱え込まずに早めに歯科医院を受診し、歯科医師の診断を受けましょう。
◽️まとめ
グラグラしている乳歯は、自然に抜ける準備ができていることが多く、無理に抜く必要はありません。自然に抜け落ちるのを待つか、舌や指で軽く触る程度で十分です。
しかし、グラグラしていてもなかなか抜けない場合は、無理やり抜くと、歯茎や下の永久歯にダメージを与える可能性があります。
乳歯がなかなか抜けない、乳歯の下に永久歯が出てきているといった場合は、無理に抜かず歯科医師に相談しましょう。
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