こんにちは北戸田coco歯科です
2歳児はイヤイヤ期に入るため、自分で何でもやると言うようになったり、保護者の言うことをなかなか聞かなくなる時期です。
「歯磨きもイヤイヤで、協力してくれない」と悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。
しかし、歯磨きを怠ると、虫歯や歯肉炎、口臭のリスクが高まります。そこで今回は、2歳児のお口の特徴や起こりやすいトラブル、歯磨きのポイントなどについて解説します。
◽️2歳児のお口ってどんな状態
2歳頃の子どものお口は成長している時期であり、乳歯も全て生える頃になります。生まれてからの歯が生える順番は、以下の通りです。
- 生後6ヶ月頃:下の前歯2本
- 10ヶ月頃:上の前歯2本
- 1歳頃:上下の前から2番目の歯
- 1歳半頃:奥歯(第一乳臼歯)
- 2歳頃:犬歯
- 2歳半頃:奥歯(第二乳臼歯)
成長には個人差があるため、生える時期や順番は異なりますが、2歳半頃になると上下合わせて20本の乳歯が生え揃います。
この時期の乳歯は、歯の間隔が広いことが多いのですが、これは永久歯へのスペースを確保するための自然な状態です。
この間隔があることで、食べかすが残りにくくなり、虫歯のリスクも低減します。
また、永久歯と比べて歯のエナメル質はやわらかいため、注意深くケアすることが重要になります。
◽️2歳児のお口に起こりやすいトラブル
2歳児になると、祖父母に預けたり保育園に通ったりすることもあり、新しい環境や食事に触れる機会が多くなります。
そのため、以下のようなトラブルが起こりやすくなり注意が必要です。
・虫歯
2歳児は、食事の内容が多様化し、甘いものを好むことが多いです。しかし、自分で歯を磨くことが難しいため、甘いものの摂取は虫歯のリスクが高まります。
特に、祖父母に預けている家庭では、子どもが好むものばかり与えてしまうことも多いため、虫歯になってしまったという経験をした方もいるのではないでしょうか。
虫歯を予防するには、甘いものの摂取を控える、食後と就寝前はフッ素入りの歯磨き粉でケアをするなど基本的な方法が挙げられます。
また、定期的に歯科検診を受け、高濃度のフッ素塗布を行うことも重要です。
・歯ぐきの腫れや出血
2歳児の歯ぐきは、やわらかくデリケートなため、以下の原因で腫れや出血を引き起こすことがあります。
ー歯が生えることによる歯ぐきの腫れ
2歳頃は乳歯が次々と生えてくる時期です。新しい歯が生える際は、歯ぐきの腫れや赤みが生じることがあります。
特に乳臼歯が生える際には、大きな圧力が歯ぐきにかかるため、腫れやすくなります。
ー歯ブラシの扱い
2歳児になると、自分で歯を磨くようになりますが、うまくできないため力の加減が不適切な場合が多いです。
それにより、歯ぐきを傷つけて腫れや出血を起こすことがあります。歯ぐきの腫れや出血を予防するためには、やわらかい毛先の子ども用歯ブラシを使用することが大切です。
ー歯磨き不足による歯肉炎
歯に歯垢が付着したまま放置すると、子どもでも歯ぐきに炎症を引き起こします。
歯と歯ぐきの境目は歯垢が溜まりやすい部分なので、保護者の仕上げ磨きが重要になります。歯と歯ぐきの境目に歯ブラシの毛先をあてて、小刻みに動かしながらしっかりとケアしましょう。
・口内炎
口内炎は、ウイルス、細菌、外傷、アレルギーなど、さまざまな原因で発症します。
2歳児に多いのは、ウイルス性の口内炎で、特に手足口病やヘルパンギーナなどの感染症が原因となることが多いです。
手足口病はコクサッキーウイルスによって引き起こされる感染症で、お口の中に小さな水疱や潰瘍と、手足に発疹が現れるのが特徴です。
ヘルパンギーナもコクサッキーウイルスによる感染症の一つで、のどに赤い発疹や水疱が現れ、高熱やのどの痛みを伴います。このような症状がある場合は、早めに小児科へ受診しましょう。
予防するには、手洗いやうがいをこまめに行い、感染リスクを減らすことが重要です。
また、2歳児はさまざまなものを手に取り口に入れることが多く、傷がつくと口内炎を引き起こすことがあるため注意しましょう。
・歯の破折・脱臼
歩き始めてから活動量も増えるため、転倒することが多くなります。
しかし、乳歯のエナメル質はやわらかいため、歯が欠けたり脱臼することがあります。欠けた部分が鋭利になっていると、お口の中を傷つけてしまう可能性があるため、すぐに歯科医院に受診しましょう。
また、脱臼し歯が抜け落ちた場合は、牛乳か生理食塩水につけてすぐに歯科医院に受診してください。
◽️2歳児の歯磨きのポイント
子どもが自分で歯ブラシを持てるようになったら「自分磨き」を始めましょう。以下のポイントを押さえて、子どもに歯磨きを教えてあげることをおすすめします。
・歯磨きの楽しさを教える
まずは、歯磨きを楽しい時間と捉えてもらうことが重要です。
お気に入りのキャラクターの歯ブラシを持たせたり歯医者さんごっこしたりなど、子どもとのスキンシップを取りながら自分磨きの練習をすると良いでしょう。
また、保護者が歌を歌いながら楽しそうに歯磨きをしている姿を見せてあげることも良い方法です。
歯磨きを楽しい時間として理解してもらえると、自分磨きや仕上げ磨きを積極的にしてくれるようになります。
・歯ブラシはやわらかい毛先のものを選ぶ
自分磨き用と仕上げ磨き用の歯ブラシは分けましょう。
仕上げ磨き用は、細かい汚れも落とせるように歯ブラシはヘッドが小さく、毛先のやわらかいものを選びます。
自分磨きの歯ブラシは、持ち手が握りやすく、飲み込み防止に安全カバーがついているものがおすすめです。
子どもが好きなキャラクターや色を選んであげると、モチベーションがアップします。
・目を離さない
歯ブラシをくわえたまま転倒すると大きなケガにつながるため、自分磨きをさせる際は、必ず座らせてください。また、保護者も絶対に目を離さないようにしましょう。
・仕上げ磨きは必ず行う
自分磨きができるようになっても、歯磨きの技術は未熟です。磨き残しが多発しているので、保護者が必ず仕上げ磨きを行いましょう。
その際、歯の表面だけでなく、歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目をしっかり磨くことが大切です。
また、イヤイヤ期で仕上げ磨きに協力してくれない場合は、時間が短くても良いので毎日の習慣として続けましょう。
◽️2歳児のお口の注意点
仕上げ磨きの際、以下のような問題がないか確認しましょう。
・虫歯
乳歯は透明感があり、永久歯よりも白いのが特徴です。
しかし、虫歯の初期段階では、白濁や白い斑点、黄色味を帯びることがあります。
放置すると黒くなり穴が空き、虫歯治療が必要になるため、よくお口の中を観察して虫歯がないかチェックしましょう。
・歯ぐきの腫れ
新しい歯が生えてくる際や力強い歯磨き、歯磨き不足、感染症などにより、歯ぐきが赤く腫れ上がることがあります。
腫れた部分は痛みを伴うこともあるので、仕上げ磨きの際はお口の中全体を見てあげましょう。症状によっては小児科や歯科医院への受診が必要になります。
・歯の本数
2歳半頃には乳歯が20本生え揃います。
しかし、中には先天的な欠損で生まれつき歯が生えてこなかったり、エナメル質が薄かったりと異常な場合があります。
虫歯になりやすかったり、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼしたりするため、気づいたら歯科医師に相談することをおすすめします。
・歯の欠け
2歳児は活発に動き回るため、転倒して歯を打つリスクがあります。
また、硬いおもちゃや食べ物を噛むことで、歯が欠けたり折れたりする可能性も。欠けた歯が尖っているとお口の中の粘膜を傷つけてしまうため注意しましょう。
◽️まとめ
2歳半頃になると乳歯が全て生え揃い、自分磨きも始められるようになります。
しかし、2歳頃は、新しい環境や食事に触れる機会が増え、虫歯や歯ぐきの腫れ、口内炎、歯の欠けや折れなどのトラブルが起こりやすい時期です。
お口のケアは保護者がしっかりとサポートし、定期的な歯科検診を受けることをおすすめします。
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