こんにちは。北戸田coco歯科です。
「歯が生えるのが他の子より遅い気がする…」
「歯並びが悪いけど、いつから矯正するのがいいの?」
「歯みがき以外で虫歯予防ができる方法は?」
子どもの歯に関する色々なお悩みは尽きません。
しかし、子どもには歯のことで悩んでほしくない、苦労してほしくないという親心があればこそですよね。
そこで、今回は北戸田coco歯科の小児歯科担当医、田口世理奈医師がよくある質問について詳しく説明します。
- 【経歴】
- ・日本大学歯学部 卒業
- ・日本大学歯学部歯学研究科歯学専攻修了 博士号取得
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1-3. 子どもが虫歯にならないようにするにはどうすればいい?
2-5. 前歯と上唇の裏のヒダが他の子より長いです。何か影響はありますか?
2-7. 子どもが寝ている間に歯ぎしりをします。大丈夫でしょうか?
1.虫歯に関すること
赤ちゃん期が過ぎて幼児期になると、虫歯の心配が出てきますね。
この章では子どもの虫歯に関することについてです。
1-1. 乳歯は永久歯より虫歯になりやすいって本当?
乳歯は永久歯に比べて柔らかく、虫歯になりやすいです。
歯の内部は何層もの層になっているのですが、乳歯は歯の層が薄いため、虫歯になると進行も早いのが特徴です。
また、生え変わったばかりの永久歯も乳歯と同じように柔らかいので、虫歯にならないように注意が必要です。
1-2. 乳歯は生え変わるから虫歯を放っておいても平気?
乳歯の虫歯は永久歯にも影響するため、乳歯が虫歯になったら治療しましょう。
乳歯は抜けてしまえば大丈夫と思いがちですが、乳歯が虫歯だと生えてくる永久歯も虫歯になったり、きちんと生えてこなかったりするのです。
1-3. 子どもが虫歯にならないようにするにはどうすればいい?
虫歯を防ぐには、歯みがきがもっとも効果的です。ただし、正しい磨き方をしないと磨き残し部分に虫歯ができてしまうので、正しい磨き方をマスターしてくださいね。
虫歯にならないようにするには、以下のことに注意しましょう。
- ・正しい歯みがきをする
- ・虫歯になりやすい食べ物や飲み物をたくさん摂らない
- ・ダラダラ食べをしない
虫歯になりやすい食べ物や飲み物は、砂糖が多く含まれるものです。
また、ダラダラ食べとは、おやつや食事の時間を決めずにダラダラと長時間食べ続けること。いつまでも口の中に食べ物が入っている状態だと、虫歯菌がずっと活動し続けてしまいます。
おやつや食事は決まった時間に食べるようにし、食後は歯みがきやブクブクうがいで食べカスや汚れを落とすと、虫歯になりにくくなりますよ。
1-4. 子どもの歯みがきは1日何回すればいいですか?
結論から言うと、1日1回でかまいません。
本当は毎食後に歯みがきをするのが理想ですが、学校に通っているとお昼ごはんの後などはなかなかできませんよね。
そこでおすすめしているのは、夜寝る前に時間をかけて丁寧に磨くことです。
虫歯菌がもっとも増えるのは、夜寝ている間です。ですので、寝る前にしっかりと時間をかけてお口の中の汚れを落とせば、虫歯になりにくくなるのです。
磨く時間は20分程度。できれば家族で習慣にして、「歯みがきタイム」を作るのがおすすめです。
1-5. 子どもの歯ブラシはどんなものがいいの?
磨きやすい歯ブラシは、柄がまっすぐで歯の大きさに合ったヘッドの歯ブラシです。
子ども用の歯ブラシは年齢別に売っていますよね。それを参考にして、子どもが磨きやすいもの、握りやすいものを見つけましょう。
1-6. 子どもが歯みがきを嫌がります!どうしたらいいの?
2歳前後の「イヤイヤ期」の子どもは、歯みがきを嫌がります。歯みがきが少しでも楽しくなる工夫をしましょう。
- 【歯みがきが楽しくなる工夫】
- ・ママやパパが歌いながら歯磨きをする
- ・歯みがき動画やテレビを見せて、一緒に磨く
- ・たまには子どもに大人の歯みがきをしてもらう
- ・ハミガキ粉のフレーバーを自分で選ばせる
なお、磨く力が強すぎたり前歯と上唇の間にあるヒダ(上唇小帯)を磨いたりすると、子どもが痛がるので気をつけましょう。
1-7. 仕上げ磨きは何歳まですればいいの?
仕上げ磨きは、8歳ころまでは必要です。身の回りのことができるようになっても、歯みがきは意外としっかりできていないもの。
幼児の間は寝かせ磨きをしますが、大きくなると恥ずかしがるお子さんもいるでしょう。その場合は、椅子に座らせて行う、大人が最終チェックを行い磨き残しだけ磨くなど、年齢に合った仕上げ磨きをするのがおすすめです。
2. 歯並びやクセについて
歯並びやお口周りのクセについての質問もよくあります。
2-1. 指しゃぶりは出っ歯になるって本当?
指しゃぶりのクセを持つお子さんは多いですが、3歳を過ぎても指しゃぶりのクセが抜けないと、出っ歯になる可能性があります。
歯は少しの力でもずっとかけ続けると動いてしまいます。指しゃぶりは親指で前歯を押す形になるので、上の前歯が徐々に外側に向いてしまうのです。
3歳過ぎても指しゃぶりが収まらない場合は、叱ったりするのではなく、手遊びや折り紙など手を使う遊びに誘うなど、別のことに気を逸らせる工夫をしましょう。
2-2. おしゃぶりは何歳まで使わせていいの?
おしゃぶりはママやパパにとって、とても便利なアイテムですよね。
しかし、吸うことから噛むことがメインになる2歳ころになると、おしゃぶりは歯並びや咬み合わせなどに影響を及ぼします。
2歳すぎたらおしゃぶりは自然に止めさせるようにしましょう。
2-3. 子どもの歯が生える順番を教えて!
子どもの歯は、下の前歯(2本)、上の前歯(2本)の順で生えてきます。
その後、前歯の隣、最初の奥歯、犬歯、一番奥の奥歯という順で生えます。
ただ、歯の生える時期と同じで、順番にも個人差があります。順番が変わっても最終的に生え揃えば問題ないので、あまり神経質にならなくても大丈夫ですよ。
歯が重なって生えているなど、気になることがあればご相談くださいね。
2-4. 親が受け口だと子どもも受け口になる?
受け口や出っ歯は、あごの骨格が原因であることが多いです。骨格は遺伝するので、親が受け口や出っ歯の場合は、子どもも同じようなお口の形になることが多いです。
骨格が原因で歯並びや咬み合わせに問題がある場合は、保険適用で治療ができます。
2-5. 前歯と上唇の裏のヒダが他の子より長いです。何か影響はありますか?
前歯と上唇の裏のひだを上唇小帯(じょうしんしょうたい)といいます。上唇小帯が長いと発音に問題が生じたり、前歯がすきっ歯になったりしますが、成長とともに改善する場合が多いので様子をみましょう。
もしも永久歯に生え変わっても改善しない場合は、上唇小帯を切ることも検討しなければなりません。
2-6. 子どもの矯正は何歳からできますか?
子どもの矯正は、状態に応じて3歳ころから始めることができます。使う装置は症状によって異なります。
- ・ムーシールド:受け口につかう装置。3〜5歳まで使用可能で、就寝中のみ装着する
- ・拡大床:ねじの力で徐々にあごを拡大し、歯がきれいに並ぶようにする。取り外し可能
- ・ワイヤー矯正:歯にボタンをつけ、ワイヤーを通して歯を徐々に動かす
子どもの歯は大人と違い、あごの成長を利用して歯並びをきれいにしていくことが可能です。
そのため、小さいお子さんでも無理なく矯正できる装置があるので、歯医者さんに相談してみましょう。
2-7. 子どもが寝ている間に歯ぎしりをします。大丈夫でしょうか?
歯ぎしりでかかる力は自分の体重以上なので、歯や歯ぐきに決してよくありません。
歯ぎしりを毎日していると、歯と歯が合わさる部分が水平に削れてしまい、象牙質がむき出しになって知覚過敏の原因にもなります。そうなると、熱いものや酸っぱいものなどもしみて食べられなくなります。
歯ぎしりは歯医者さんで治すことができるので、一度相談してみましょう。
ただし、赤ちゃんの歯ぎしりは歯が生えてくる際のむず痒さや歯並びの調整のためにしているので、問題ありません。
3. まとめ
子どもの歯は、ただ単に大人の歯を小さくしたものではありません。構造(層)が薄く虫歯になりやすかったり、虫歯の進行が早かったりします。
また、乳歯をしっかりとケアすれば、その後生えてくる永久歯も良い永久歯になります。
これらのことを踏まえて乳歯を虫歯から守り、幼児期から歯並びを改善していけば、大きくなってからの苦労やリスクを回避することが可能です。
北戸田coco小児歯科では、子どもの歯の専門家が歯の治療や相談に当たっています。困ったこと・気になることがあったらお気軽にご相談くださいね。
- ◆この記事のまとめ
- 1. 乳歯は永久歯より虫歯になりやすい
- 2. 乳歯を虫歯から守るには、正しい歯みがきと正しい食べ方が重要
- 3. 仕上げ磨きは8歳まで行う
- 4. 骨格が遺伝すると受け口や出っ歯も遺伝する
- 5. 子どもの矯正は3歳ころから可能
- 6. 歯ぎしりは歯医者さんで治せる