「うちの子の歯はきちんと成長しているかしら?」
子どもの歯に関して、虫歯や将来の歯並びなどを心配する親御さんは多いものです。
特に5歳はそろそろ乳歯が生え揃う時期。どんなことに気をつければいいのか気になりますね。
また、まだ生え揃っていない子の場合、なにか病気ではないかと不安になることもあるでしょう。
そこで、ここでは5歳の子どもの歯の一般的な状態と、気をつけるべきことについて詳しくお伝えします。
5歳の子どもを持つママ・パパはぜひ読んでくださいね。
1. 5歳の子どもの歯の状態
一般的に、5歳の子どもでは乳歯が20本全部生え揃います。その後はあごの成長にともなって永久歯に生え変わっていきます。
5歳のお口の中は新しい歯が生えてくるなど目新しい変化はありませんが、一般的には以下のような状態がみられます。
- ・歯と歯の間に隙間ができてくる
- ・早い子は生え変わりが始まることも
詳しく説明しますね。
1-1. 歯と歯の間に隙間ができてくる
乳歯は永久歯に比べて小さいため、あごが発達すると歯と歯の間に隙間が出てきます。
大人には歯と歯の間に隙間がないので「これって異常?」と心配になるかもしれませんが、隙間があるのが本来の正しい姿なので心配いりません。
反対に、隙間がないと永久歯に生え変わるときにスペースが足りなくなります。その結果、永久歯が重なって生えてしまったり、前を向くことができずに斜めに生えてしまったりする可能性があります。歯と歯の隙間は大切なのです。
1-2. 早い子は生え変わりが始まることも
一般的に永久歯の生え変わりは6歳くらいからとされています。しかし、早いお子さんでは5歳ころから生え変わることがあります。
5歳のお子さんの歯がぶつけてもいないのにグラグラしてきたら、歯の生え変わりが始まった証拠です。
ただ、5歳に生え変わったからといって特に心配することはありません。歯の成長には個人差があるので、歯の生え変わりもだいたい1〜2年前後は早まったり遅くなったりすることがあるのです。
2. 5歳の子どもの歯で気をつけること
5歳の子どもの歯はだいたいどんな状態か分かりましたね。ここでは、5歳の子どもの歯で気をつけることをお伝えします。
歯磨き編と食事編に分けて説明しますね。
2-1. 歯磨き編
5歳になると自分で歯ブラシを持って歯磨きをするのにも慣れた頃でしょう。しかし、まだまだ磨き残しが多いので、仕上げ磨きは必須です。
仕上げ磨きで気をつける場所は、
- ・前歯の裏側
- ・奥歯
- ・歯と歯の隙間
です。上記3つの場所は、特に微粒子状になった食べカスが残りやすいので、しっかりと仕上げ磨きをしてあげてください。
2-2. 食事編
5歳くらいになると大人と同じものを食べ、おやつもたくさん食べるようになります。砂糖が含まれるジュースやお菓子なども摂る機会が多くなり、虫歯になりやすいので注意しましょう。
食事やおやつで気をつけるべきことは、
- ・決まった時間に食事やおやつを摂る
- ・食事やおやつの時は必ず水やお茶を添える
- ・食べた後はブクブクうがいをさせる
の3つです。
●決まった時間に食事やおやつを摂る
食事やおやつをダラダラ食べていると、お口の中がいつも汚れた状態になって虫歯になりやすくなります。食事やおやつは決まった時間にだけ食べる習慣を身に着けさせましょう。
●食事やおやつの時は必ず水やお茶を添える
食べ物を食べるときに水かお茶を添えるといいのは、お口の中の食べカスを洗い流してくれるからです。水分でものを食べやすくなる効果もありますよ。
なお、砂糖が入ったジュースやスポーツドリンクは逆効果です。砂糖の入っていない水や麦茶などを用意しましょう。
●食べた後はブクブクうがいをさせる
できれば毎食後に歯磨きをするのが理想ですが、なかなか難しいですよね。そういう場合は、食べた後は必ず洗面所でブクブクうがいをする習慣を身に着けさせるのがおすすめです。
ブクブクうがいの水流でお口の中の汚れが落ちるので、虫歯予防に効果があります。
3. 注意!こんなときにすべきこと
ここでは、5歳の子どもの歯について注意すべきことを取り上げて解説していきます。
- ・歯と歯の間に隙間がない
- ・歯がグラグラしてきた
- ・乳歯の内側に永久歯が生えてきた
- ・乳歯が虫歯になった
- ・乳歯を強く打ってしまった
こちらもひとつずつ説明していきますね。
3-1. 歯と歯の間に隙間がない
「1-1. 歯と歯の間に隙間ができてくる」で説明したとおり、5歳くらいの子どもは永久歯が生えてくる準備として歯と歯に隙間ができます。
もしも隙間がない場合は、たくさん噛まないと食べられないものを食事やおやつに取り入れましょう。たくさん噛むと、あごの筋肉やあごの骨の成長を促してくれます。
具体的には以下のようなものがおすすめです。
- ・リンゴ
- ・硬めに茹でたブロッコリー
- ・スティック野菜(セロリや人参)
- ・キャベツの千切り
あまりにも硬いおせんべいなどは歯を痛めてしまうので、シャクシャクと歯ごたえのある野菜や果物などを選んでくださいね。
3-2. 歯がグラグラしてきた
歯が自然にグラグラしてきたら、歯が生え変わるサインです。
無理に手や舌で歯を動かしたりすると出血や雑菌が入る可能性があります。自然に任せて様子を見ましょう。
あまりにもグラグラしている期間が長く、食べるときに支障が出る場合は歯医者さんに相談してください。
3-3. 乳歯の内側に永久歯が生えてきた
乳歯がまだ抜けていないのに、乳歯の内側に永久歯が生えてくることがあります。
通常は、乳歯は永久歯に押されて抜け落ち、後から永久歯が生えてくるしくみです。しかし、乳歯の内側に永久歯が生えてしまった場合、歯並びが悪くなる可能性があります。
歯医者さんで乳歯を抜歯するか、様子を見た方がいいか判断してくれますので、一度相談しに行きましょう。
3-4. 乳歯が虫歯になった
乳歯が虫歯になったら治療が必要です。よく、乳歯は抜けるから虫歯になっても放っておいて大丈夫と思っている方がいますが、これはよくありません。
乳歯の虫歯は永久歯よりも虫歯の進行が早いので、虫歯の乳歯を放っておくと歯の根にまで進行してしまい、後から生えてくる永久歯にも影響が出ます。
乳歯の虫歯の状態は、色で見分けることができます。
- ・軽度 → 濁った白色
- ・中程度 → 茶色
- ・重度 → 黒色
軽度のうちは丁寧な歯磨きで虫歯を治すことが可能です。しかし、中程度や重度になると、虫歯がかなり進行しているので自然治癒できません。
子どもの虫歯は痛みに気づきにくく、痛みを訴えるくらいになると虫歯が歯の根にまで達していて、かなり悪化している状態です。
仕上げ磨きの際にお子さんのお口の中をよく観察して、変色している歯がないかどうかチェックしましょう。
もしも虫歯かな?と思ったら、早めに歯医者さんを受診してください。
3-5. 乳歯を強く打ってしまった
子どもでよくあるのが、前歯をどこかにぶつけてしまったというものです。ころんだときに前歯を打った、ボールが顔面に当たったなどで前歯にダメージがあった場合、1ヶ月以上もしてから歯が変色することがあります。
前歯をぶつけたことがあり、歯が変色しているようなら神経が死んでいる可能性が高いです。
できるだけ早く歯医者さんで治療をしましょう。
4. まとめ
5歳の子どもの歯は変化がないようでいて、実は生え変わりの準備期間のため気をつけることがたくさんあります。生え変わり時期は将来の歯並びや噛み合わせに大きな影響を及ぼすからです。
なにかいつもと違うなと思ったら、早めに歯医者さんに相談してくださいね。
- ◆この記事のまとめ
- 1. 5歳の子どもの歯の特徴|歯と歯の間に隙間ができてくる
- 2. 早い子は生え変わりが始まることもある
- 3. 5歳の子どもの仕上げ磨きで気をつけるのは、前歯の裏・奥歯・歯と歯の隙間
- 4. 5歳の子どもの食事で気をつけるのは、決まった時間に食事やおやつにすること、砂糖を摂らせすぎないこと
- 5. 歯と歯の間に隙間がない場合はあごをたくさん使って噛む工夫を
- 6. 乳歯に異常があった場合は早めに歯医者さんに相談する