「子どもの歯が茶色くなっている!」
ある日、ふと子どもの歯(乳歯)が茶色くなっていることに気づくと、驚きますね。
子どもの歯が茶色くなるにはいろいろな原因があります。しかし、原因に合った対処をすれば、白い歯に戻すことができますよ。
ここでは、子どもの歯が茶色くなる原因と対処法を分かりやすく解説します。
お子さんの歯の色が気になる方は、ぜひお読みくださいね。
1. 子どもの歯が茶色くなる4つの原因とは?
子どもの歯が茶色くなる原因には、以下の4つが考えられます。
- ・着色汚れ
- ・虫歯
- ・神経が死んでいる
- ・エナメル質形成不全
ひとつずつ説明していきますね。
1-1. 着色汚れ
大人の歯と同じで、子どもの歯も着色汚れになります。色の濃いものを好んでひんぱんに飲食していると、ステインが付着して歯の表面が茶色くなるのです。
着色汚れの原因となるのは以下のようなものです。
- ・ソース、ケチャップ、しょうゆ
- ・カレー
- ・烏龍茶、紅茶、緑茶
- ・チョコレート、ココア
- ・ベリー類(いちご、ブルーベリーなど)
- ・豆乳、納豆
ソースやケチャップなど色の濃い調味料やカレーが着色の原因になるのは、なんとなく想像がつくでしょう。烏龍茶・紅茶・緑茶はカテキンという成分が歯の凸凹にくっついて着色します。湯呑み茶碗につく茶渋と同じですね。
チョコレートやココア、ベリー類はポリフェノールが原因です。豆乳や納豆は意外かもしれませんが、イソフラボンが着色汚れの原因となります。
1-2. 虫歯
子どもの虫歯は茶色く見えることがあります。初期の段階では歯の表面の一部が白く濁っているように見えますが、悪化すると黒くなります。茶色く見えるのは、その中間あたりということになります。
茶色い虫歯は着色汚れと間違えることも多いので、歯医者さんでレントゲンなどで検査して調べる必要があります。
1-3. 神経が死んでいる
歯の内部には神経が通っていますが、歯の神経は大きな衝撃が加わると歯の根がダメージを受けて壊死することがあります。壊死した結果、1、2ヶ月後くらいに茶色く変色してしまうのです。
神経が死んで変色しやすいのは前歯です。ボールが顔にぶつかったり、転んで前歯を強く打ったりした後に起こることがよくあります。
1-4. エナメル質形成不全
聞き慣れない言葉かもしれませんが、エナメル質形成不全とは歯の表面を覆うエナメル質がとても薄くなってしまっている状態です。
歯には元々2mm程度のエナメル質という膜があります。エナメル質の下には象牙質という茶色い層があり、エナメル質が薄くなると象牙質が透けて見えるために歯が茶色く見えるのです。
エナメル質形成不全が起こるのには、以下のような原因があります。
- ・虫歯
- ・損傷
- ・全身疾患
- ・遺伝
- ・皮膚の異常
- ・早産や栄養不良
虫歯や損傷は歯が傷ついてエナメル質が削れたりするものですが、全身疾患や遺伝は体の病気や生まれつきのものになります。皮膚の異常は、皮膚水疱症(ひふすいほうしょう)や外胚葉異形成症(がいはいよういけいせいしょう)など皮膚の異常が元になって起こるものです。
この他、早産や栄養不良でエナメル質形成不全が起こることもあります。
2. 子どもの歯が茶色い場合の対処方法
上記のような原因で子どもの歯が茶色くなっている場合は、原因に応じて対処しましょう。着色汚れの場合は歯の表面にできた凸凹に虫歯ができやすくなっていますし、その他の原因は治療が必要だからです。
歯が茶色い場合は原因を判断するのが難しいので歯医者さんで診断し、正しい対処を行います。
1-1. 着色汚れの場合
着色汚れの場合は、歯みがきを丁寧にすれば徐々に改善することもあります。
しかし、間違った歯みがきのせいで着色汚れが溜まっていると考えられるので、歯医者さんで正しい歯みがきのやり方を教えてもらうのがおすすめです。
歯医者さんでは歯のクリーニングも行っています。専用の機械などを使って自分では難しい歯の清掃を行い、歯を白くきれいにすることができます。
歯のクリーニングについては以下の記事で詳しく述べていますので、こちらも参考にしてくださいね。
1-2. 虫歯や神経が死んでいる場合
●虫歯の場合
治療をして虫歯を治します。乳歯の虫歯を放置しておくと痛くてきちんと噛めなくなるので、あごの成長が遅れ、今後生えてくる永久歯が生えるスペースが狭くなって歯並びや咬み合わせが悪くなる可能性が高いからです。
●神経が死んでいる場合
歯の根っこがダメージを受けているので、そのままにしておくと歯の根に膿が溜まってしまうことがあります。そのため、歯の根っこをきれいに掃除し、バイキンや虫歯菌が入らないように詰め物をする治療をします(根管治療)。
1-3. エナメル質形成不全の場合
エナメル質形成不全の場合、程度が軽いものであればフッ素塗布をしてしばらく様子を見ます。
程度の重い場合は歯の表面に歯科用セメントやプラスチック樹脂でコーティングします。
エナメル質が薄いと知覚過敏のように冷たいものや熱いものが歯にしみるので、エナメル質の代わりとなるものを足す必要があるからです。
コーティングする際は、できる限り歯を削らずに行うようにします。
3. 子どもの歯を茶色くしないための方法
子どもの歯が茶色くなるのを防ぐには、
- ・正しい方法で毎日の歯みがきを行う
- ・色の濃い食べ物・飲み物を摂った後はうがいや歯みがきを行う
- ・歯に異常があれば歯医者さんに相談する
などで対策できます。
大人の歯のホワイトニングは、ホワイトニング用のハミガキ粉を使用しますね。しかし、子どもの歯の場合は大人の歯よりも柔らかいので、大人と同じものを使うのはおすすめできません。
では、何を使えばよいかと言うと、研磨剤なしのホワイトニング用ジェルです。ジェル状のハミガキ粉は研磨剤が入っていません。ジェル状のハミガキ粉にもホワイトニング用のものがあるので、インターネットなどで探してみてくださいね。
フィスのホワイト(WHITE WHITE)は、フッ素濃度が1000ppmなので、7歳以上のお子さんなら使用可能です。
※6歳未満のお子さんは、フッ素濃度500ppm以下を目安にハミガキ粉を選びましょう。
まとめ
子どもの歯が茶色くなる原因は、単に着色汚れのこともあれば虫歯や神経が関係しているものもあります。自己判断では難しいので、「子どもの歯が茶色いな」と思ったら、一度歯医者さんで診てもらいましょう。
- ◆この記事のまとめ
- 1. 着色汚れの原因はポリフェノールやイソフラボン、濃い色の調味料
- 2. 虫歯ははじめ白っぽいが悪化すると茶色くなってくる
- 3. 歯は強い衝撃を受けると神経が壊死して歯が茶色くな変色する
- 4. エナメル質形成不全は歯への衝撃や生まれつき、全身疾患などが原因
- 5. 歯の着色汚れは正しい歯磨きで改善することがある
- 6. 改善しない場合は歯医者でクリーニングを行う
- 7. 虫歯や神経で茶色くなっている場合は治療が必要
- 8. エナメル質形成不全の場合も治療が必要